この夏、もう一度観たい映画【ふたりの#KIBUN】vol.12

“サステナブルなライフスタイル”をテーマにしたウェブメディア「CLAIrmag」と、当ブログ「oh,nocia」。それぞれの運営者alisa・nociaが毎回一つのテーマをもとに、その時の気分に合わせたモノ・コトを紹介する共同連載シリーズ【ふたりの#KIBUN】がスタート!

今回(vol.12)のテーマは:この夏、もう一度観たい映画

alisa『LIFE! /ライフ』

Image: (C)2013 Twentieth Century Fox Film Corporation All Rights Reserved.

最近、本格化してきた暑さに圧倒されすっかりバテ気味。おまけに何だか頭の中もパンパンで、夏に似合わず閉塞感たっぷりな日常を過ごしていました。

そんな滞った気分に風穴を開けるべく、ふと思い出して今週末用にウォッチリストに加えたのが、映画『LIFE!(ライフ)』。

雑誌「LIFE」のネガ管理部署で働く平凡な40代男性が主人公のこの映画。なぜそんな映画をこの夏に?と思うかもしれませんが、『LIFE!』を観ると、忘れていた「人生における爽快感」のようなものを思い出すことができる気がします。

ストーリーの始まりは主人公が勤める会社が買収され、それにより雑誌「LIFE」がオンライン化、そして人員削減…。行き詰まる中、主人公は”最終号の表紙に”と指定された写真のネガがない事に気づき、所在を知っているであろうカメラマン・ショーンを追って一大決心、壮大な旅に出ることになります。

この映画でまず爽快なのが、劇中でスクリーンいっぱいに広がるグリーンランドやアイスランド、ヒマラヤといった雄大な自然。このシーンだけでもかなり気分がスーッと晴れるのですが、同時に思い出すのが、新しい景色を目の前に覚えるあの興奮、スケールの大きな自然に息を呑む瞬間、知らない世界を旅する好奇心や冒険心。

これがまたひとつ、心に爽快感を与えてくれるんです。この爽快感が人が旅をする理由だったり、新しいものに出会い、それを自分の目で見て味わうことの醍醐味だったりもするのかもしれません。

ここのところ、長いことひとつの場所にとどまって過ごしていることもあり忘れがちなこの感情。これこそが私たちの頭や心に大切なすき間を作ってくれる気がします。(きっと定期的に感じることが必要なもの。)そして、そのすき間によりほんの少し視界が広がり、今見えていないものに目を向けられることも。

色んな制限があるとはいえ、今いる場所からそう遠くない場所にもきっとある美しい景色、美味しい食べ物、新しい出会いetc…。この映画はそんな人生に欠かせない刺激や感情たちに気づかせてくれたり、まだ見ぬ景色を自分の目で見つけるきっかけをくれる気がして、この夏を心爽やかに過ごすためにもう一度観たいと思っています。

nocia『荒野にて』

Image: (C)The Bureau Film Company Limited, Channel Four Television Corporation and The British Film Institute 2017

コロナ禍になって二度目の夏ですが、今回もホリデーらしい計画は立てられず、数年前に南スペインを訪れた時の写真を眺めて思い出に浸っていました。

地中海に面するアンダルシア州アルメリア。この地に広がる半乾燥砂漠Tabernas Desertの不毛の大地を照らす日差し、吹き抜ける乾いた風、灼けた土の香り。そんな情景を懐かしんでいると、ふと映画で目にした美しくも切ない荒野を思い出したのです。それは、アンドリュー・ヘイ監督の作品『荒野にて』で見た風景。

Image: 映画『荒野にて』公式サイト

ヴェネチア国際映画祭にて新人俳優賞を受賞したチャーリー・プラマーが主演を務め、スティーヴ・ブシェミやクロエ・セヴィニーらがキャストに名を連ねるこの作品は、孤独を抱える少年の物語。

家計を支えるために世話していた競走馬のピートが唯一の友達である少年チャーリーは、母に続いて父まで失い15歳にして天涯孤独に。さらに、試合に勝てなくなったピートの殺処分の決定通知が届いてしまう。自分の手で友達を救いたいチャーリーは、叔母が住んでいた町を目指してピートを連れて逃走することを決意…と、決して明るいストーリーではありません。

その中で印象的なのが、逃走するチャーリーとピートの荒野でのシーン。

Image: 映画『荒野にて』公式サイト

日差しが照りつける広大な大地はエネルギーに満ち溢れ、詩的で美しい風景です。けれど同時に、それはチャーリーの孤独や不安、居場所を求める切望とのコントラストのようで切なく、胸が締め付けられる景色でもあります。

実を言うと、クロエ・セヴィニーが出演するということで観た作品だったのですが、希望を失わないように抗う少年の旅路であり人生そのものともいえる荒野はとても強烈で、見終わった後も余韻が残る素晴らしいシーンでした。

アルメリアの大地を見て思い出したのは偶然ではなく、何か意味があるような気もして。この夏、もう一度観てみたいなと思っています。

〈Alisa〉 フランス ボルドー、カナダ トロント生活を経て、オープンマインドで、住む場所にとらわれないサステナブルライフを探りながらCLAIrmagをディレクションしています。 ユニークで自由なコンテンポラリーアートの世界観が好き。

前回の連載記事:わたしの夏準備。2021|ふたりの#KIBUN vol.11



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