南スペイン・アンダルシアで暮らす友人の素敵な自宅

ここ数年、暮らし方や空間を考える度に、南スペイン・アンダルシアで暮らす友人宅を思い出します。アラビックな雰囲気が色濃く残る歴史的な街グラナダから、地中海に面するアルメリアへと南下。そこに彼女が暮らす小さな町があります。

典型的な地中海の気候で育った彼女は、スペインの太陽のように明るく、カラッとした性格の持ち主。インドネシアの伝統的な布地「バティック」を使ったファッションブランドを立ち上げたり、週末にフードトラックを運営するなどかなりの行動派です。そんな彼女が暮らすのは、自然と共生する家。

強い日差しを分散し和らげる、アンダルシア地方の伝統的な白い壁の家カサ・ブランカ。その入り口に咲き乱れる鮮やかなピンクの花が、私たちを出迎えてくれました。板チョコのような木製のユニークな玄関のドアをくぐると、彼女の愛犬の昼寝スポットでもある心地よいサロンへと続きます。

隅には作業用のデスクが置いてあります。

ダイニング・キッチンエリアは、開放感と温かみのある空間。もともとはアーティストである彼女のお母さんが暮らしていた家で、その面影が残っているそう。

ストーンのシンクや台など白を基調としたキッチンは、雰囲気のある木製の食器棚や小窓がアクセントに。そして食器棚の上や、ダイニングの壁に埋め込まれた棚など、所々に見受けられる曲線でできたスペースが素敵…!また、ダイニングの窓には映画の舞台のようなダイナミックな景色が広がっています。

贅沢な眺めですよね。写っていませんが、手前にはプールもあります。一方テラスの横は、植物が生き生きと育つボタニックガーデンのような空間。

白い建物は離れにあるゲストハウス。

ザクロ、無花果、サボテン、レモン。果実と緑に覆われた空間は静閑でありながら、生命のバイタリティに満ち溢れています。そんな小さな楽園の一部になっているのが、インテリアとして飾られている欠けたフラワーベースや食器。不完全なものが輝ける場所でもあるのです。そんなちょっとした所に彼女らしさが表れています。

暮らし方や空間を考える度に、彼女の家を思い出すのはなぜか。それは多分、美しい建物や庭といった環境面が魅力的だから、という理由だけではなくて。彼女の個性が映し出され、随所に彼女の愛着を感じること、きっとそれこそが私の憧れであり理想であるからなのです。自分らしく、そして愛着が生まれ(増す)ように。彼女の素敵な家が大切なヒントを教えてくれたような気がします。



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