先週末、マドリードの中心部・lavapies地区にあるギリシャ料理のファストフードレストランへ出かけてきました。
その日のお昼に夫婦でロンドンの話をしていて「ロンドンは世界の食文化開拓の地だよね」なんて話になり、ロンドンに在るギリシャレストラン「Lemonia」のことをふと思い出したのです。ザジキ、ピタ、フムス、スヴラギ、ハルミチーズ…あぁ、ギリシャ料理って本当美味しいよね〜とヒートアップし迎えた”ギリシャな夜”というわけです。
イタリア・スペイン・ギリシャ辺りを指す地中海料理は極端な話、どんな料理を食べていても潮風の香りや灼熱の太陽がジリジリ肌を焼く夏の記憶が刺激されるような、味とはまた別の次元でその不思議な感覚を味わう体験的な魅力に惹かれてしまいます。もちろん食からある感覚を受けるという点については地中海料理だけに限った話ではないけれど。
そんなわけで今回訪れた「Egeo Suvlakeria Griega」。ここはファストフードとレストランの中間に位置するカジュアルなお店で、ハンバーガーやケバブをサクッと食べに立ち寄るような気軽さでギリシャ料理が楽しめるのがウケています。マドリードには確か2店舗あって、そのうちの一つが私たちがいつも遊びに来るlavapies地区の店舗。
外観は至ってシンプル。店内はグループ用テーブル席と大き目のシェアテーブルのみ。
ヨーロッパでよく見かけるこのスペース、室内のようでテラス感もある特等席。
白を基調とした中にブルーの柱が良く映える。
オーダーしたのはスヴラギのプレートで、サイドにピタとザジキ、サラダ付き。それと自分用には白ワインを。
焼肉食べたい!焼肉食べたい!と思い続けた後にありつける焼肉が最高であるように、「ギリシャ料理を食べたい」と願ったあとのこのプレートは、味云々ではなくて心が満たされました。いや、味も普通に美味しかったけど。特に真ん中のザジキ、瓶入りで売ってくれたら買うな~。
食べ終わったのが午後8時くらい。それから同地区内にあるバーへ。スペインの夏の夜といえばテラス席で乾杯でしょう!とんがりコーンにそっくりなお菓子をつまみながらティント・デ・ベラーノを頂きました。
ヨーロッパで暮らしていると日本の夏を恋しく思う一方で、自分の知らないもう一つの夏が在ることへの喜びと興奮を覚えます。縁側でスイカを齧ったり、セミの鳴き声や打ち上げ花火、シャツが肌に張り付くあの感触はなくとも、夏=テラスという新たな習慣を享受することが出来るのです。日本の夏が佐藤さんだとしたら、スペインの夏はガルシアさん。同じ夏なのに、全く違う個性が存在する。
そんなことをふと考えたある夏の夜の話でした。
それでは。